2012年11月7日水曜日

この世は博打。


先月の中旬くらいだろうか。
とある公演のリハーサルの合間に外出した時に
人通りの多い道路沿いでアゲハチョウの蛹を見つけた。
白とグレーが基調の道路で
小さいながらもスッキリとした緑色をしていて、
ぼくにはとても目立つ存在だった

昔、といっても4年くらい前なんだけど、
アゲハ蝶が孵化する様子をVJ素材に使いたいと思って、
飼ってたことがあった(笑)

撮影してアンビエント系のミュージシャンと
作品を造る時とかに使いたいな〜、
なんて思いながら未だに編集出来てないんだけど。。


アゲハ蝶って幼虫の時は蜂とか虻に寄生される事が多いから、
みかんの葉の影に隠れて生活し
その場で蛹や成虫へと脱皮する事が多いので、
一般道路ではあまり見かけない。
舗装された道路で見つけた時は珍しくてつい写真を撮ってしまった。

それにしても、どうして人通りの多い場所を選んだのだろうか?
周りに草木もない場所だったので、
どうやって辿りついたのだろうか?
10月の中旬だからこのまま冬を越すのだろうけど、
人だけでなく犬や猫も通る道で、
春まで生き残っていられるだろうか?
綺麗な緑色をしているので夏に蛹になっていれば
2週間くらいで成虫になっただろうに。
(アゲハ蝶は寄生されていると蛹が茶色くなってたりする、確かね。。)
ちゃんとみかんの木にいれば犬猫にも襲われる心配もなかろうに。

きっと色んな偶然が重なってここにたどり着いたのだろう。
リスキーな場所を選んだものである。
殆ど負け勝負に近い博打だ。
勿論、勝敗の行方は成虫になるまで解らないが。

考えてみると僕らもそうだ。
その時々の物事を自らの意思で決定しているようで
それを凌駕する大きな力によって左右される事がある。
色んな偶然ってヤツが重なって。
その偶然によって上手くいく事もあれば、失敗する事もある。
努力が実る時もあれば、実らない時もある。
夢が実現する人もいれば、かなわない人もいる。

だから、常に人事を尽くしておきたいと、
ささやかなエゴを出し自分の中で悔いのない様に
勤めている。


生きとし生けるもの
生まれてくることそのものが既に博打だ。


道ばたの蛹を見て、そんな事を思った。

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