2013年5月9日木曜日

幻のデビュー作を観に行く。

オーディトリウム渋谷で上映している
キューブリックのデビュー作『恐怖と欲望』を観てきました。
これまで一般的にはデビュー作は『非情の罠』とされてきたけど、
それ以前に何本かの短編と長編を一本撮っていて
その一本が『恐怖と欲望』なんだって。
生前は封印されていたので観る事が出来なかったけど、
天才の初期の作品程観たいものはないよね。

内容は何処かの国でおこなわれている戦場の話で、
自陣に戻ろうとしている4人の男達の話。
いかだで川を下ろうとしている道中、
地元の女に見つかって捕虜とするんだけど、
誤って殺してしまい、殺した兵士の精神がおかしくなっていく。

確かにセリフ回しとか変な感じもしたけど、
(というかこの年代の映画の台詞ってこんな感じだっけ?
時代によって台詞も変わるよね。)
写真家出身のキューブリックらしく構図がとても綺麗でした。
そして意外とカット割りが細かかった。

殆どのシーンを森の中で撮っているんだけど、
戦場という事を解らせる為に環境音を効果的に使っていて
色々と考えられているなと思いました。

全編60分くらいの作品だったけど、
歩くシーンが多かったのは尺延ばしの為の苦肉の策だろうか。
この手法『その男、凶暴につき』でも使われてた。

キューブリックはこの作品で
監督のみならず撮影や編集もやっていて、
初期のキューブリックの才気を感じる事が出来た。

『恐怖と欲望』、明日金曜日までらしいので、
御興味ある方是非行って観て下さい。

詳細はこちら。
http://www.ivc-tokyo.co.jp/fearanddesire/

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